My dream journal

①睡眠中に、あたかも現実の経験であるかのように感じる一連の観念や心像。視覚像として現れることが多いが、聴覚・味覚・触覚・運動感覚を伴うこともある。②将来実現させたいと思っている事柄。③現実からはなれた空想や楽しい考え。④心の迷い。⑤はかないこと。たよりにならないこと。(デジタル大辞泉)

2019/07/16 大量の茹でたきゅうり

 何人か知った顔のある、全体では30人ほどいる部屋で私たちはぺら一枚置かれたA3の紙を囲み食い入るように見ている。司会か採用担当か、一人だけ立場の違うベリーショートの背筋の通った女が大きな口で「あなたはそれを選ぶのね」などと口を出してくる。A4の紙が回ってきて選んだアルファベットを名前の横に書かされた。

 私が選んだのは「俳優Tにひたすら茹でたきゅうりをサプライしつづける」というもので、他にも「世界で一番臭いチーズを大量に溶かして製品化する」など肉体的に過酷なものばかり並んでいた。その中からましそうなものを仕方なく選んだ。ベリーショートの女が「へえ。それが一番楽だと思った?」と言うのを恐ろしくて無視した。周りの皆もそれぞれ頭の中で自分と相談して判断した自分にとってまだましな任務を選んでしぶしぶ書いているようだった。一体何リットルの湯で茹でるのだろう、一回に持つ茹で上がったきゅうりは何十キロだろう、茹でる間息もできないような湿度と温度の場所に置かれるのだろうななど、いま目の前の女がやたらに楽しそうな理由を想像して絶望を深める。

 夕方になりきらない午後、私は同い年の男と外を歩いている。小学校のグランドを抜け道して、山を少しずつ登る。男は明るく、下品までいかなくとも粗野な感じのする人だった。その性格や醸す雰囲気の中に仄暗さが見えるのは、選ばされて働かされた任務のせいだと思う。落ち着いた口調で話され、私は安心している自分に気づく。私はこの人と一緒になるんだろうなと思う。こんな野暮な人を夫にするとは思いもしなかったなと思う反面、この人といれば安心で離れたくないと思う。

 

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チーズが臭いお店に行ったからかな…。