My dream journal

①睡眠中に、あたかも現実の経験であるかのように感じる一連の観念や心像。視覚像として現れることが多いが、聴覚・味覚・触覚・運動感覚を伴うこともある。②将来実現させたいと思っている事柄。③現実からはなれた空想や楽しい考え。④心の迷い。⑤はかないこと。たよりにならないこと。(デジタル大辞泉)

2019/12/06 恐怖

 夜遅くに家に帰って、布団に寝ている2人の男性のうち1人に顔を近づけようとするとぱちっと目を覚まし「おかえり」と眠そうにしながらもベッドから降りる素振りを見せられて胸がぎゅっとなり、私は正座して「遅くなりました」と笑う。

 ふと玄関を振り返ると扉の下の20cmの隙間から作業着の男らが向かいの部屋に何かのスプレーを差し込んで吹いているのが見えた。きついスプレーの匂いがしてぞっとして、玄関から居間に抜ける扉を閉めた。閉めたと思い振り返ると作業着のおばさん1人おじさん2人が部屋にいる。ぎょっとして「なんですか、誰ですか」と浅黒い顔のおばさんにきつい声を出すと、微妙に上ずった発音で「スプレーを部屋に撒いて掃除綺麗」のようなことを言う。「管理人さんからそんな清掃の連絡は来ていません。大体こんな遅い時間になんですか。あなたたち許可なくやってるでしょう。」と話し続けるおばさんに被せて私は話し薄気味悪くて腹が立ってくる。「パパ、この人たち追い出そう」と手助けてを求めておばさんの腕を引っ張って玄関まで連れ出そうとする。おばさんは抵抗しそばに置いてあった紙袋(誰かへのプレゼントで買っておいてある)を手に取る。私はそれに0.1秒もなく憎悪を覚えておばさんの手の甲に噛み付く。

 

 

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おばさんの手の甲に噛み付いたところで現実の私も枕を思いっきり噛んでた。動機と息切れとぐずりで目が覚めて、リアルの私が同じ動きをするということは夢の中の出来事をリアルの私も体験したことに変わりないという考えに囚われた。

2019/12/05 白いタートルに白いダウンを着て

 弟と私は図書館の共有スペースで課題をしている。遠くに父が現れ、目で帰るぞと伝えてきた。私はロッカーに預けているスーツケースのことを忘れ父に歩み寄り、弟が帰りの準備をしているの待つ。父が「ラーメン行く?」と言うので、「え?こんな時間に?お腹空いたの?」と聞くが父とラーメンを食べるのは好きなので行こうと思う。

 その途端に荷物を行きには持っていたことを思い出し、父を待たせてしまうことに焦りながらスーツケースのありかを必死に探す。もと座っていたテーブルのあたりで探していると若い人たちが「何探してんのー」と半分からかうように聞いてきて焦る私は「スーツケース」と小さな声で答えながらたくさんのテーブルを巡る。

 ふとあちらのロッカーに預けたことを思い付き走って向かおうとする。何かの競技をしている道を横切らねばならず、恥ずかしい申し訳ない気持ちで泣きそうになる。

 ロッカーのカギは鞄の中の財布の中だと思いあたり鞄が手元にあるかまたあの道を邪魔しに戻らなければならないのかと不安になる。カギが手元に今あることに気付き、震える手で鍵を差し込む。金額の表示のところに1700とあり、財布にありったけの百円玉を手に握り、泣きながら一枚ずつ入れていく。枚数があってほしい、早くスーツケースを取り出して父のところに行きたい、という不安と焦りが震えと涙を止めてくれない。

 弟が現れて「ねえちゃん大丈夫?」と隣で財布を用意してくれる素振りをしている。

 

 

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パパに会いたいなあとか思う日が多く、「そんなに遠くに行くの?!家族寂しがるでしょう!!」と言われることが多いせいだと思う。私はいつもいつも不安ばかり。

2019/08/24 水辺

 AちゃんからLINEで告白されて、OKを出した。女の子同士だけど。

 海辺に人がたくさんいる。それは変わっているけど素敵な海で、背よりもはるか上にある堤防から水のしぶきが強く降ってきたり、小高いところに人口のプールがあったりする。Aちゃんは私を振り返りながらも楽しそうにそこらを歩き回る。私はそれを安心した気持ちで付いて回る。

 2人で網の隙間から深い緑色のゼリーみたいなプールの表面を眺めて、Aちゃんはプール側に回って飛び込もうか悩んでいた。

 身体にぴったり濡れたシャツが張り付いた男女のカップルが苦しそうな表情で手を繋いでいるのを見て、私の恋愛はこんなに軽くて楽しいのにと思って二度見した。

2019/08/22 紺碧のイモ

 東南アジア系の若い女の子が運転する天井のないミニトラックの助手席にいる。明るくてスピードが心地いい。

 着いた屋台で深い青の芋が水を張った鍋にたくさん入っているのを見ている。その青くて細い芋にはネオンカラーの水色の斑点がある。湯の温度が上がり始めると水に青が溶け始める。「青いところには毒がある」とすこし変わった文法で男の子が私に伝えてくれた。私は笑いながら「え、じゃあどこを食べるの?逆になんで入れるの?」と、初見のそれが面白くて疑問が止まらない。

 ゆっくりじわじわ青が溶け出す鍋の周りに、同じような柄のイモリが手前と鍋の中に2匹いるのを見つけて、箸を慣れた仕草で持つ女の子に「とって」と笑って騒いだ。

 

 

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紺に近い青と、蛍光ペンみたいな水色の芋。綺麗な色だけど120%食べ物じゃない色してた。

2019/07/28 息が吸えない

  肩の高さほどあるシーソー型の長方体の箱。片側に医者、片側に私がいる。箱は文字通りカタンカタンと音を立ててシーソーのように動かせる。私の側には空気を吸う機械や、椅子がついていて、私は歯の治療をされようとしている。騒ぐほどではないが時々わけもなく息が苦しくて、レジのピッとする機械みたいな子機から空気を吸っては平気なふりをしている。

 色んな治療を試された。目をつぶらされ、チョコレートを口に入れられた。ロッテのダース。油か何かの成分が口にいつも合わないなあと思う。治療を受ける間、家族が協力してくれて、チョコレートを私の口に入れたり、楽しくて笑ってしまう。

 最後に医者が試したのは、アーモンドを箱の中で温めるというもの。箱の中、目の前に迫る熱板に驚いて火が灯る前に押し避けた。アーモンドがぱちぱち音を立て始め、医者がシーソーを傾け、私の方にアーモンドが一斉に落ちてきて、私は悲鳴をあげた。シーソーの箱の外で観客が笑っている声と家族があらあらと笑いながらも焦っている声がする。

 

 

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結果的に治らない歯の治療の夢は、現状抱えている問題がなかなか解決しないという意味。

2019/07/16 大量の茹でたきゅうり

 何人か知った顔のある、全体では30人ほどいる部屋で私たちはぺら一枚置かれたA3の紙を囲み食い入るように見ている。司会か採用担当か、一人だけ立場の違うベリーショートの背筋の通った女が大きな口で「あなたはそれを選ぶのね」などと口を出してくる。A4の紙が回ってきて選んだアルファベットを名前の横に書かされた。

 私が選んだのは「俳優Tにひたすら茹でたきゅうりをサプライしつづける」というもので、他にも「世界で一番臭いチーズを大量に溶かして製品化する」など肉体的に過酷なものばかり並んでいた。その中からましそうなものを仕方なく選んだ。ベリーショートの女が「へえ。それが一番楽だと思った?」と言うのを恐ろしくて無視した。周りの皆もそれぞれ頭の中で自分と相談して判断した自分にとってまだましな任務を選んでしぶしぶ書いているようだった。一体何リットルの湯で茹でるのだろう、一回に持つ茹で上がったきゅうりは何十キロだろう、茹でる間息もできないような湿度と温度の場所に置かれるのだろうななど、いま目の前の女がやたらに楽しそうな理由を想像して絶望を深める。

 夕方になりきらない午後、私は同い年の男と外を歩いている。小学校のグランドを抜け道して、山を少しずつ登る。男は明るく、下品までいかなくとも粗野な感じのする人だった。その性格や醸す雰囲気の中に仄暗さが見えるのは、選ばされて働かされた任務のせいだと思う。落ち着いた口調で話され、私は安心している自分に気づく。私はこの人と一緒になるんだろうなと思う。こんな野暮な人を夫にするとは思いもしなかったなと思う反面、この人といれば安心で離れたくないと思う。

 

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チーズが臭いお店に行ったからかな…。

2019/5/29 藻に毒される

 田舎らしい独立店舗型のスーパーマーケットの中を縦横無尽に棚の上にものぼりながら走り回っている。空気という目に見えない箱の中で無数の目に映らない細かさの生物がビリビリと音を立てると、私は音の方に向かってレーザー銃のような駆除の機械を発射させる。「きりがない。思っていたより進行しているじゃない。」と呆れた気持ちでいる。パートらしい初老のおばさんが短い脚で懸命に走り、ビリビリという音にワンテンポ遅れて攻撃を加えているのを横目に見て「おっそ。この人しかいないのね。」と哀れみと焦りの気持ちを抱く。

 その昔、生物研究員の男が藻を育てた。その藻の幼生は長いトゲのある球体型で、中心にある裂け目(目だろうか性器の穴だろうか)を閉じたまま、絶えず形を変えながらだんだんと大きくなった。研究室の片隅、風呂桶のような水槽の中のその藻を研究員の男は忙しさにかまけ気に留めていなかった。ある日から藻は歌を歌った。詩の内容は「あなたに会いたい。あなたに会いに来た。」というような内容で、恐ろしくそして美しく甘い響きを持った背筋の凍るような旋律で、空気に溶けるほど微かに。人の長さほど伸び、茎は人の形を真似る。そして藻は毎夜歌を歌った後、女になった。緑がかり濡れている女を風呂桶に見つけた研究員は、怖ろしさに震えると同時に女の美しさに捕らわれた。男は女を殺せず藻から人の形となったその生物の末裔によって、私は今目に見えない微生物を駆逐しようと全身の筋肉と頭を働かせている。

 棚の間の通路を渡り歩いて、一列ごとの空気の長方体にビリビリという音を感じ、バチバチと微生物が床に落ちる音に変える。この店にはもう多くいすぎてきりがない。パートのおばさんが息を切らしてゼエゼエ言っているのが聞こえる。「なぜこうなる前に駆除しておかなかったのか」と心の中で責任者とおばさんを責め立てる。冷凍庫のガラスのドアが20cmほど開いているのが見え、「ああここには人型になりかけているやつがいる」と確信した。

 客だろうか、茶髪ロングの細い女が怒って商品のバターをおばさんに投げつけている。それを尻目に私は店を爆破した。きりがないから。

 駐車場に出ると白いスポーツカーがすぐそこに止まっている。さっきの茶髪女らしい高飛車な車だなと思う。それを通り過ぎ、私の白いスポーツカーに乗り込む。助手席の細身の母は私と同じ顎までに切りそろえたボブヘアで座っている。「遅かったわね。何してたのかは聞かないわ。」「○○さんがね、ソウルにいるから、行くわよ!」と優しく明るい調子で勝手なことを言う。「ソウルって海越えるでしょ、何言ってるの」と言いつつ車を発進させる。

 

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 この頃夢を見ない。良いことだけどつまらない。

 サリンジャーの「笑い男」、「シェイプオブウォーター」その他今までに読んだり観たりしてきた物語がミックスされたような話だな。特に藻の体表面の裂け目はサリンジャーの本から来ているのを確信。読んだときは何とも思わないつもりだったけど、強烈だったのかしら。